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「過去問特集」コーナーでは、社会福祉士試験で過去に出題された試験問題と解答を掲載しています。過去問は自分の実力を試す際に、チャレンジすることもできますが、それ以上に「学習をこれから始める!」といった時期に活用するのが非常に効果的です。過去問を見れば、試験の傾向をつかむことができます。社会福祉士の学習を、これから始めようとしている方も、ぜひ一度、過去問を解いてください!

第25回過去問題

相談援助の基盤と専門職

専門科目

第91問
Jさん(50歳,女性)は,夫と義父の3人暮らしで, 1年前から寝たきりになった義父の介護をl人で行っていた。義父は要介護認定を受けており,何度か介護保険サービスの利用を勧められていたが夫は介護は嫁の役割だからと断り,Jさんに任せていた。Jさん自身もそう思い,孤独でつらい生活を過ごしていた。民生委員のKさんは,そんなJさんを心配して,社会福祉協議会のL社会福祉士を紹介した。L社会福祉士は,事務所に訪れたJさんの話に耳を傾け, Jさんの忍耐強さや様々な工夫を認めて評価した。Jさんは,その後もL社会福祉士と話すうちに,自分が介護だけでなく,他のこともできるのではないかと思えるようになった。また,夫へのL社会福祉士の働きかけもあって, Jさんは夫とも介護について何度も話し合い,介護サービスを利用することになった。他の介護者とも交流するようになり,これからは自分と同じような思いをしている人達の支えになろうと考えている。
次のうち, L,社会福祉士が行った支援機能に当たるものとして,適切なものを2つ選びなさい。

1. コンサルテーション
2. アウトリーチ
3. エンパワメント
4. ソーシャル・アクション
5. アドボカシー

 

第92問
ソーシャルワークのアメリカにおける専門職化に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1. 全米慈善矯正会議(1897年)において,リッチモンド(Richmond,M,)は応用博愛学校の必要性を提唱し慈善活動の効果的な実践のための夏期養成講座が開設された。
2. アダムス(Addams,J,)はシカゴにハル・ハウスを開設(1889年)し,「慈善でもなく,友情でもなく,専門的サービスを」の標語を掲げてセツルメント活動を展開した。
3. 全米慈善矯正会議(1915年)において,フレックスナー(F正xner,A,)は,ソーシャルワークには科学的効果が認められないとし「ケースワークは死んだ」と論じた。
4. 全米慈善組織協会は全米ソーシャルワーカー協会に名称変更(1917年)し,慈善から精神分析理論に基づく友愛訪問活動の組織化を推進した。
5. ミルフォード会議(1923年)では,「ジェネラリスト・ソーシャルワークとは何か」をテーマに,システム論的視座から方法論の統合化の必要性が議論された。

 

第93問
プトゥリムが示したソーシャルワークの3つの価値前提(人間尊重・人間の社会性・人間の変化の可能性)に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1. この3つの価値前提は,それら自体がソーシャルワークの実践から生まれたソーシャルワークに独自かつ固有の価値であり,不可欠なものである。
2. この3つの価値前提は,相互に等しい道徳的価値である。
3. 「人間尊重」は,個別的自由と普遍的自由との統合を図る人倫概念を示したヘーゲル学派の哲学による考え方を基盤とする。
4. 「人間の社会性」は,人聞がそれぞれにその独自性の貫徹のために他者に依存する存在であることを示す。
5. 「人間の変化の可能性」は,環境の変化と人間の変化及び成長との因果関係に基づく決定論的な人生観に依拠する。

 

第94問
事例を読んで,M児童福祉司(社会福祉士)の対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
児童相談所のM児童福祉司は,主任児童委員からの通告がきっかけで, Nさん(33議)と2人の子ども(小3女児,小1女児)のひとり親家庭の支援を開始した。失業による経済的困難のために生活意欲を喪失し,子どものネグレクト状態が続いて,子どもたちは食事をとれないこともあった。M児童福祉司は,数回の家庭訪問を行った。子どもの状態は変わらない。Nさんは次第に心を聞いてくれ,子どもは自分でみること,福祉事務所には以前に相談に行ったが,二度と行きたくないことなどを語った。

1. Nさんの公的機関に対する拒否的な感情を受容して, しばらくの間, Nさんと子どもの様子を見守ることにする。
2. 福祉事務所のケースワーカー,小学校の担任,主任児童委員,その他関係者を集めて,今後の援助方針を検討する。
3. Nさんの福祉事務所に対する不信感を尊重して,M児童福祉司が生活保護申請の手続きを進める。
4. Nさんに対し,親の役割を自覚して子どもの世話をきちんとするよう助言する。
5. 子どもの一時保護承諾に向けたNさんへの説得を,小学校の担任に依頼する。

 

第95問
児童虐待を担当する児童福祉司(社会福祉士)の守秘義務に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1. 施設入所措置の場合,児童養護施設に子どもの養育者以外の親族に関する情報を提供しではならない。
2. 虐待防止の啓発のために,自分の担当する虐待ケースについての個別的な情報を地域の子育て支援団体連絡会に提供してもよい。
3. 近隣住民からの虐待の通告について,通告者を特定させるような情報を他に漏らしてはならない。
4. 公務員である児童福祉司の守秘義務違反については,刑事責任の問題にはなるが,民事責任の問題としては扱われない。
5. 子どもの養育支援を行うために,虐待している親の了解がなくても,虐待を心配する近隣住民に情報を提供できる。

 

第96問
ソーシャルワークの専門職倫理に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1. ソーシャルワーカーは,法制度の規定のもとでその実践を行うので,制度とのジレンマや矛盾を起こすことはない。
2. 守秘義務を遂行することにより第三者に危害が及ぶことが予測される場合などは,クライエントの個人情報を開示してもよいと考えられている。
3. 倫理的原理の優先順位を明らかにした「倫理的原理のスクリーン」では,クライエントの生活の質が最も優先される。
4. アメリカの「マネジドケア(managedcare) 」では,ソーシャルワーカーの裁量と患者の自己決定に矛盾が起きることはない。
5. 子ども虐待のケースにおいて,子どもの権利と親の権利の問でジレンマが現れる場合は,子どもの年齢や状況にかかわらず,子どもの希望に従い支援を行う。

 

第97問
ジェネラリスト・アプローチに関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
1. 生活上の逆機能が現れた問題の内的・心理的原因と外的・社会的原因の両方を認識し個人が社会関係のなかで自らのニーズを充足することを目指す。
2. 従来のソーシャルワークの分類の枠を超えて,社会構成主義の立場から包括的に援助を展開することを目指す。
3. ケアマネジメントと類似点が多いこともあって,我が国においては高齢者福祉分野に特化して用いられている。
4. 総合的・包括的な視点からのニーズの把握と生活への介入が,セルフアドボカシーなど当事者運動の立場からは,生活の管理統制につながるとして批判を受けることがある。
5. 援助の過程においては, ミクロ,メゾ,マクロの各レベルごとに,それぞれ異なるジェネラリスト・アプローチ固有の方法が開発されている。

 

解答

第91問 3・5
第92問 1
第93問 4
第94問 2
第95問 3
第96問 2
第97問 4

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