「過去問特集」コーナーでは、社会福祉士試験で過去に出題された試験問題と解答を掲載しています。過去問は自分の実力を試す際に、チャレンジすることもできますが、それ以上に「学習をこれから始める!」といった時期に活用するのが非常に効果的です。過去問を見れば、試験の傾向をつかむことができます。社会福祉士の学習を、これから始めようとしている方も、ぜひ一度、過去問を解いてください!
第98問
ソーシャルワークにおける効果測定の方法に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1. ソーシャルワークにおける効果測定は、ソーシャルワーカーの援助技術がどの程度向上したかについて、スーパーバイザーが評価することによって行われる。
2. ソーシャルワークの効果測定における単一事例実験計画法では個人の事例が対象となり、家族や集団の事例は除かれる。
3. ソーシャルワークにおけるエビデンス・べースド・プラクティスとは、事例研究による質的調査ではなく、量的調査によって効果測定を行うことである。
4. ソーシャルワークにおける効果測定とは、支援計画の実施状況やサービスの利用状況、また、新たな課題の発生の有無などの定期的な観察を行うことである。
5. ソーシャルワークの効果測定における集団比較実験計画法は、同じ問題をもつ人のなかから介入した群と介入しなかった群に分けて評価を行う。
第99問
バイステックによる援助関係の原則に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1. 「非審判的態度の原則」とは、判断能力が不十分なクライエントを非難することなく、ソーシャルワーカーがクライエントの代わりに意思決定を行うことである。
2. 「自己決定の原則」とは、クライエントの心情を感じ取ってほしいという要求に応えて、クライエントの訴えや気持ちを確実に受け止める準備をすることである。
3. 「統制された情緒的関与の原則」とは、ソーシャルワーカーが自らの感情を自覚,吟味して、クライエントの感情に対して適切に反応することである。
4. 「受容の原則」とは、ソーシャルワーカーがクライエントに受け入れてもらえるように、誠実に働きかけることである。
5. 「意図的な感情の表出の原則」とは、ソーシャルワーカーのクライエントに対する肯定的な感情を、クライエントに対して意図的に表現することである。
第100問
事例を読んで、この段階におけるA児童福祉司(社会福祉士)の対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。
〔事例〕
Ⅴ県の児童相談所に勤務するA児童福祉司は、U市の児童家庭相談窓口の担当者から送致を受けて、児童虐待の疑いのある母親のBさん(36歳)と面接を行うことになった。Bさんは現在、3歳の子どもと夫との3人で暮らしている。数日後、児童相談所を訪ねてきたBさんは、A児童福祉司に会うや否や、夫の不就労,過度の飲酒,女性問題等、夫への不満について話し出した。児童虐待の疑いについては、「私は夫のせいでストレスがたまっている。そのせいか、子どもには多少つらくあたっているかもしれない」と話した。
1. 子どもの安全を確保するため、すぐに子どもの一時保護を実施する。
2. Bさんの苦労をねぎらいながら、夫を就労させるために公共職業安定所(ハローワーク)に通わせることを勧める。
3. 夫の気持ちを代弁しながら、まずは母親としての役割を果たすよう努力を促す。
4. 夫婦関係の修復が不可能であると判断して、離婚や調停に詳しい弁護士への相談を勧める。
5. Bさんに詳しく状況を話してもらうとともに、近々、家庭訪問させてほしいと提案する。
第101問
事例を読んで、地域包括支援センターのC社会福祉士の初回訪問面接における対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。
〔事例〕
地域の民生委員より、息子(50歳)と二人暮らしをしているDさん(85歳女性)宅から、時々、男性の怒鳴り声や女性の悲鳴のような声が聞こえるので、一緒に様子を見に行ってほしいという相談依頼が寄せられた。C社会福祉士は、この民生委員とともにDさん宅を訪問した。息子は不在であった。Dさんの許可を得て居間に通り、日常生活に関する話を伺った。Dさんは伏し目がちで多くを語ろうとしないが、最近、Dさんの持病の糖尿病が悪化して家事のできない日が多く、リストラにあって会社を辞めた息子に叱られることがあると細々とした声で語った。
1. 「閉ざされた質問」を多用して、可能な限り虐待に関する事実を把握する。
2. 息子が仕事に就くように、親らしく威厳をもって振る舞うよう励ます。
3. 息子との関係性を把握するため、ジェノグラムを用いて家族関係を診断する。
4. Dさんが息子と離れて安心して暮らせるよう、施設に関する情報を提供する。
5. Dさんの発音とともに表情や室内の状況を観察し、支援の緊急性を判断する。
第102問
事例を読んで、婦人相談所におけるE相談指導員(社会福祉士)の2回目の相談面接における対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。
〔事例〕
Fさん(35歳女性)は、結婚以来、夫のアルコール依存と暴力に悩まされていると訴え、婦人相談所でE相談指導員による面接相談を受けている。初回面接では、夫の暴力のひどさを興奮気味に訴えていたが、2回目の面接となる今日は、言葉に詰まりながら、深刻な面持ちで話し始めた。「前回は話しを聞いていただいてすっきりしました。でも、これからどうしたらいいかわからなくて…。」母はすでに亡くなっており、父は別の女性と再婚していて疎遠です。頼れる友人もいないし…。」
1. 積極的傾聴により、Fさんの否定的な感情の逆転移を促す。
2. Fさんの不安な感情を反射しながら、解決すべき課題を明確化する。
3. Fさんを問題状況に直面化させるために、夫との家族面談を設定する。
4. 夫の精神科への入院の必要性をFさんに指摘し、問題の外在化を図る。
5. Fさんの父親との過去の関係を評価し、脱三角形化を促す。
第103問
ケアマネジメントの過程に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1. リファーラルには、支援が望まれると判断された人々を地域の関係機関が支援提供機関などに連絡,紹介することが含まれる。
2. スクリーニングとは、利用者のニーズに適合したサービスを提供する親戚を探して、必要なサービス,提供方法などについて交渉,調整することである。
3. プランニングとは、心身機能の状態,生活状況などについて、規定の書式を用いて情報を収集し、サービス利用の対象者となるかどうかを確認することである。
4. モニタリングとは、利用者の置かれている状況を把握するために、利用者の情報を収集し、どのような生活ニーズが生じているかを明らかにすることである。
5. マッチングには、サービス提供後に、ケアプランに基づくサービスが提供されているか、利用者のニーズが充足されているかを定期的に確認することが含まれる。
第104問
事例を読んで、G相談支援専門員(社会福祉士)によるサービス担当者会議の進め方に酪する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。
〔事例〕
相談支援事業所のG相談支援専門員は、交通事故によって下肢機能を損傷したHさん(25歳,男性)の支援を市の担当者から依頼された。そこで、Hさんと家族に面談し、アセスメントを行った。サービス利用計画を作成するに当たり、G相談支援専門員は、Hさん本人とHさんの支援に直接かかわるサービス担当者全員の参加を求めて、サービス担当者会議を開催することにした。
1. 会談の司会者になり、自らが決定権をもって会議を進行する。
2. Hさんに会議で話される様々な専門用語を理解するように、あらかじめ指導する。
3. Hさんの希望について、実現可能なものに限って取り上げて話し合う。
4. Hさんの意思が尊重されるように、サービス担当者の間を調整する。
5. サービス担当者の専門的な意見を重視するよう、Hさんに依頼する。
第 98問 5
第 99問 3
第100問 5
第101問 5
第102問 2
第103問 1
第104問 4